(販売用)イースタインS型の修理②
こんばんは!野川の丘ピアノです。
少しずつ進めているイースタインS型修理の続きです。
日中は外回りをしているため、自宅に戻ってから空いた時間で工房に入っています。
アクションは解体して消耗・虫食いのダメージを受けている部品を交換したり、スティックといって動かなくなった関節部分の部品を正常に動くように調整していきます。

イースタインは湿気の影響にかなり弱く、ほとんどの場合フレンジという部品がカチカチに動かなくなって音が出せなくなります。出先ではなかなか全て部品を外せないので、手元にピアノがあるうちに全て直しておく必要があります。

次にハンマーのブライドルテープを交換するので、適切な長さ(オリジナルと同じ)にカットしていきます。
きっちり全て同じ長さに切ります。

カットが終わったら、新しいブライドルテープを接着していきます。これで綺麗になりました。

同時にハンマーの形を整えてあげます。ハンマーファイリングといいますが、卵型になるようにヤスリで削ります。
どの角度から見ても真っすぐになるように削るというのが本当に難しく、慎重に作業します。

ハンマーの次はダンパーの部品交換をしていきます。
ペダルに関係する部品ですので、タッチやペダリングをスムーズにするためには重要です。
レバークロスが虫食いになっていますので、古いクロスをアイロンとスチームで剥がしていきます。

なるべく古い接着(ニカワ)が残らないように綺麗に剥がします。
全て剥がし終えたら、新しいクロスをカットしてニカワで貼っていきます。

ちなみにフェルトやクロスを綺麗にカットするのはなかなか難しいです。そのためにギロチンカッターを自作しました。
何度も失敗を繰り返した結果、やっと綺麗に切れるようになりました。

ダンパーのフレンジもかなり硬くなっており、ほとんどのセンターピンを交換しました。
更にダンパースプリングを磨いてツルツルにします。

ダンパースプリングを受けて入れるダンパーレバーパンチングクロスは雑音防止のために黒鉛を塗っておきます。
手間は掛かりますが、後々のことを考えるととても重要な作業です。

ウィッペン関係も色々と部品を交換していきます。
こちらウィッペンヒールクロスですが、長年の使用によって凹みができています。あまりボコボコしてくると、弾き心地に影響が出てしまうので、新しいクロスに貼り替えることしました。

ギロチンカッターで均等にカットして・・・

新しいクロスになりました!
次はタッチに一番影響のあるジャックスプリングです。

ジャックスプリングは経年劣化によってバネの力が弱くなってくるので、交換するとタッチが劇的に良くなり、トリルや連打が大変やりやすくなります。

交換するには古いニカワや接着剤を取り除いていくのですが、なかなか綺麗に取れずいつも苦戦します。
綺麗に取らないと、新しいスプリングもピッタリ入りません。

新しいスプリングです。輝いていますね。
アクション関係の修理はもう一息です。汚れを清掃しながら、ジャックとウィッペンのフレンジも動かなくなっているのでセンターピンを全て交換します。
これがなかなか時間が掛かりますので、続きはまた書きます。
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