イースタインB型の修理
こんばんは!野川の丘ピアノです。
ずっと書けていなかったイースタインB型の修理について書きます。
昨年ご依頼頂いた修理ですが・・・だいぶブログ更新が遅れてしまっています。
工房にアクション・鍵盤・外装パーツなどをお預かりしてきて結構な部品交換をしました。
まずはイースタインのピアノでは60%以上の確率で修理が必要なフレンジセンターピンの交換です。
よく点検すると、初めは普通に動いていた部品でも、しばらく動かしていくと徐々に動かなくってスティックしてしまうことが多いです。結局は赤い部分のブッシングクロスを少し削って広げて、新しいセンターピンに交換しなければ良くなりません。この修理はほぼ全てのフレンジで交換が必要になります。
ハンマー・ジャック・ウィッペン・ダンパー全てセンターピンを交換しました。
そして40年くらい経過していればスプリング関係も弱ってくるので、ジャックスプリングも新しいものに全交換します。トリルなどのタッチがものすごく良くなります。。
ダンパーを外していると、スプーンが磨きやすいので全部研磨しておきます。
こうすることでタッチはもちろん、ペダル操作なども明らかにスムーズになります。
ダンパーロッドという部品も同様です。
接点の摩擦はとってあげなければなりません。
鍵盤のクッション部は質の良いカシミヤのブッシングクロスに貼り替えをします。膠を使用して圧着するのですが、貼り方にコツがいります。もう数えきれないほどのクロスを貼り替えてきましたが、イースタインのブッシングクロスを貼るのは難易度が高いです。
↓ 古いクロスは剥がしているところ
虫食いの被害がかなりあった鍵盤でしたので、外の作業場で修理をしました。意外と快適なんです。
今後も更に使いやすくしていく予定です。
クロスを貼り替えた後は、本体に合わせて調整しますが、新しいクロスはなかなか安定しないため、長い期間を掛けて微調整します。お客さんにも必ずそれはご了承頂いています。
こちらはサービスにて、修理のついでに引き取ってきた外装パーツ類を磨いて差し上げます。
イースタインの塗装は劣化していたり、カシューが多いため通常はあまり磨けませんが、時間を掛けて均等に研磨すると艶は復活します。ムラなく仕上げるのはかなり難しいです。
工房の作業が終わったら、あとは現物合わせです。本体に合わせて全調整を行います。これには丸一日お時間が掛かります。
鍵盤のピンも研磨して虫の被害が出ていたパンチングクロスも新しいものに交換しました。
このあと、鍵盤調整をしてアクションの調整までノンストップで作業します。
こだわりすぎるとあっという間に日が暮れてしまうので、何を優先して仕上げるか、大体の目標はあらかじめ作っておきます。
ピアノは一台一台、状態が全く違うので、状況判断が大切というのことになります。
今回のイースタインはおそらく次の調律の時にもう一度微調整を行い、今までのブランク分を取り戻せるかと思います。
今後ともよろしくお願い致します!
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