体育館のグランドピアノ修理
こんばんは!野川の丘ピアノです。
季節はすっかり秋となりましたね。
寝起きがちょっと辛くなるくらい朝は涼しくなって、先日は一気に冷え込んだので気が早いですがヒートテックを着てしまいました・・・笑
さて、9月は修理のご依頼が多かったので、その作業について書いておきます。
小学校さんからのご依頼で、体育館のグランドピアノのアクション修理と整調をしてきました。
まず、アクションを自宅工房へ持ち帰りハンマーセンターピンの全交換と、ジャック・サポートの動きが悪いところもセンターピンを交換しました。
アクションはヤマハのC3ですが、C3初期のモデルです。
体育館のピアノということで湿気と経年劣化でアクション全体の動きが悪くなっています。
ハンマーもかなり消耗しており、当然ファイリング(整音)も同時に作業します。
特に部品交換をした場合、ハンマーの取り付け位置が少しずれるので整音をきちんとしないと音が良くなりません。
ハンマーフェルトの先端は消耗してくると平らにつぶれてしまい、音がペチャペチャ、キンキンとした不快な音色になってしまいます。この整音という作業は調律師の技術とセンスが問われるので、下手に手を入れてしまうと良い響きが失われてしまいます。とても繊細な作業なのです。
↑ ハンマーフレンジセンターピン交換
人間で例えると関節の部分にあたりますが、湿気によるダメージを受けると錆や膨張により硬くなってハンマーのフレンジがスムーズに動かなくなります。
ハンマーセンターピン交換には専用の工具で部品を交換しますが、フレンジが3~6gで動くようにきつさを調整してあげる必要があります。季節によりますが、大体4gのおもりを乗せてゆっくりフレンジが動くように調整することが理想です。
ジャックやサポートも同様に不良のセンターピンを交換しました。
部品交換とファイリングが全て完了したら、本体に取り付けて弦合わせや整調を行います。
ここからが本番です。
整調を行う前に断線があった高音弦を張り替えます。
高音側はT字のチューニングハンマーを使用するとスムーズに弦の張り替えができます。もしくはラチェット式もありますが、私は持っていません・・・。
高音弦はダンパーを外さなくても張り替えができるのですぐに完了です。
ハンマーの弦合わせ(弦が三本同時にハンマーを打つように調整)をして、音色が揃うように微調整します。
ハンマーと弦を合わせる際、一回一回鍵盤を引き出さなければならないのでアップライトピアノよりも時間が掛かりますが、とても重要な作業です。
その後はアクション・鍵盤の調整も順番にしていきます。
鍵盤の高さをそろえたり、深さをそろえたり、薄い紙を挟んで調整します。
鍵盤の深さを測る専用の定規を使用して、1鍵ずつ調整していきます。
均等な力で深さを測らないと下のフェルトがつぶれるので注意します。
一般的には鍵盤を押し上げた際に10mmくらいになるように調整します。アクションとのバランスもあるので、
他の調整も見ながら基準を作ります。
朝から作業して17時頃まで休憩なしでみっちり作業しました。
時間を掛けて調整することで、重たく音が出にくかっタッチはとてもスムーズになり、何より音に艶が出て大変魅力的に音色になりました。
一日掛かりの作業でしたが、無事に良い結果となり安心して帰路に向かえました。
また今後のメンテナンスでも、調律と一緒に都度調整も確認するようにします。
ありがとうございました。
——————————————————————-
ピアノ調律、修理のご依頼はこちらまで!
<新規ご依頼のお客様限定!>
初回ご依頼特典として、以下の中から1つサービスいたします!
○ピアノ用調湿剤 (1パック)
○ピアノ用防虫剤
○ペダル磨き(ピカピカになります!)
———————————————————————