調律していない古いピアノは修理できるのか?
こんにちは!野川の丘ピアノです。
今回は、近い将来にどんどん増えてくる古いピアノのメンテナンスについて書きたいと思います。
今後の調律師に求められるもの
日本でアコースティックピアノ(生ピアノ)が沢山売れた時代から、50年近く経過しています。
昔は飛ぶように売れましたが、今では手頃な電子ピアノや程度の良い中古ピアノも増え、高価な新品の生ピアノを買う人はかなり少なくなっています。
今までは新品のピアノをご自宅等に納めて、納入後は調律だけしていれば、不具合もあまり出ずに済んだのかもしれません。しかし、それはピアノ内部のパーツが全て新しかったからでしょう。
ピアノの部品は全部で約5000個以上はあります。このうち一箇所でもネジが緩んだり、部品が故障すると不具合が出てしまいます。
私が普段メンテナンスしているピアノは、半数以上が製造から40年前後経過しておりますので、当然5000以上ある部品も交換をしていなければ全体的に劣化、消耗しています。
今後の調律師に求められるのは、古くなって部品や木材が劣化、消耗してしまったピアノを、なんとか不具合なく弾けるように調律、メンテナンスすることができる技術だと思います。
修理のやり方は調律師によって違いますし、こだわり、技術料、音の作り方は人それぞれなので、まずは信頼できる調律師を見つけることが大切です。
そんな私も、お客さんから信頼して頂けるよう音作りに対してこだわりを持って、会社に縛られず自分自身でピアノをメンテナンスしていきたいを思うようになり、独立しました。調律のブランクが何十年もあるようなピアノを数えきれないほど修理してきましたので、定期的にメンテナンスしていけば大抵はまた使えるようになりますよ。
何でも値上げが続いている現在、なるべく安心価格で良いサービスを提供できるように心がけています。
ご実家から昔弾いていたピアノを移動してこれから使いたいけど大丈夫?と思われている方、結構いらっしゃいますが、まずはご相談ください。ピアノ専門の調律師が何でもお答えします。
部品交換の一例
ところで、ピアノの修理とはどんな部品交換が必要になるのでしょうか?
弦の張り替えはピアノに限らず弦楽器では必要ですが、ピアノの場合は全弦張り替えは高額だし、張り替えなくても断線しない限りは音が出せます。(もちろんご予算があれば古い弦は交換した方が良い)
ですので、やはり不具合の原因となってしまう部品だけは交換することが必須と思います。
①フレンジーコード貼り替え
ヤマハのピアノでよくある修理で、バネの部品を使ってハンマーの戻りを手助けしているコード(紐)が切れると連打性能が悪くなり、ピアニッシモなども出しずらくなります。また、他の部品にも負担が掛かるので、早めに交換がお勧め。
②ダンパーレバークロス貼り替え
意外と交換されていないことが多いのですが、ダンパースプーンという部品がサビると、クッションのクロスが摩耗して穴があいてしまい、この写真くらいになると鍵盤が押せなくなることがあります。
新しいクロスに貼り替えが必要です。
③レギュレーティングスクリューの折れ
湿気の多い場所に置いてあったピアノは、アフタータッチの調整で回すスクリューが結構な確率で折れます。私が好きなイースタインというピアノメーカーでもよくあるのですが、錆ついているとすぐ折れてしまいます。
出先だと修理が大変なので、こういう場合は部品を工房へ引き取っての修理が理想です。
以上のようにほんの一例ですが、参考になりましたら幸いです。
ほとんどが経年劣化が原因で起こりますので、こういった修理をどこまでやるのか、ピアノの状態やお客さんのご予算と相談して決めます。
もちろん、お金があれば新品に買い替えたり、オーバーホール(内部の消耗部品を全て交換)が理想ですが、はっきり言ってオーバーホールってかなり難しいんです。全ての工程で上手くいかないと、タッチや音が全く別物になってしまいますので。。(実はオーバーホール済みでもこういうピアノが結構多い)
やはり、お客さんにとって思い出のピアノだったり、好みの音色だったりすることも多いです。
それに、古いピアノに使用されているフェルト・クロス類は良質なものが多く、特にハンマーフェルトなどはオリジナルのまま使用した方が良いことがありますので、そのあたりを調律師とよく相談して決めることが大切ですね。
私はピアノを大切にしたいと思っているお客さんの手助けが少しでもできたら嬉しいです😊
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