ピアノのメンテナンスとは…
こんばんは!野川の丘ピアノです。
今日は午前中相模原市から、午後は調布市まで横断しました。今日も暑いですね😅
さて、先日は倉庫にて販売用アップライトピアノの出荷調整をしました。
お洒落なウォールナット猫足タイプです。
まずは錆落としをします。
鍵盤関係で重要なキーピン磨きをして、若干虫食いのあったクロスを新品に交換します。
販売用なので、中身も美しく仕上げなければなりません。
その後、鍵盤の高さや深さを合わせたり、アクションの調整をして出荷調整が完了しました。
ちょっと写真だとわかりにくいのですが、ウォールナットの艶出しなのです。
1日かけてアクションの整調、整音まで行った結果中古ピアノとは思えない響きに…!
この年代のピアノは年数は経っているものの、メンテナンスでかなりよくなるんだよなー。
作業内容
鍵盤調整、キーピン磨き
ベンジン汚れ拭き取り
弦サビ落とし、プレッシャーバー、チューニングピン磨き
内部埃の清掃
ハンマー弦合わせ、同時打弦
鍵盤ならし、アガキ
キャプスタン前後、左右
ハンマーストップ、接近
スプーン掛かり
外装の磨き
さっきふと考えていたのですが、
よくお客さんに、「先生のところにあるピアノと音が違う」とおっしゃる方がいます。
私としても全力でいつもメンテナンスしており、調律が終わったあとにタッチの調整や音色の調整、中の掃除まで時間内にできることをして。
なので、欠かさず毎年メンテナンスしているピアノだったら、そのピアノが最大限の性能を引き出してくれていると信じています。
ただ、どうしても埋められない壁はあります。
そもそものピアノの材料の違い、本体の状態、設置環境など。
やはり比較的新しいグランドピアノだったり、オーバーホールしているグランドピアノと、部品は当時のままのアップライトピアノでは、毎年のメンテナンスだけでは差が出てしまいます。そのため、お客さんを満足させられなかったと悔しい思いをすることもあります。
その先生のピアノと音が違うとおっしゃるお子さんは、中上級くらいのレベルなのですが、
こちらで以前にご案内した整調一式や整音作業はやらずに、3回ほど定期調律のみのご依頼でお伺いしています。ちなみに先生のピアノは世界的に有名で新しいグランドピアノです。
せっかくご依頼頂いたからには、お客さんを満足させたいという気持ちでおりますが、ある程度そのピアノの性能の限界もあります。
車で例えれば、ノンターボの軽自動車と最新式のベンツでしょうか。。
ただ、軽自動車でも足回りを変えたり、早くするためのチューニングをすればかなり速くなります。たとえアップライトピアノでもそれは可能だと思いますが、やはり定期調律だけでは・・・と思ってしまうのです。たった2時間のメンテナンスだけで最新式のグランドピアノのようなタッチと音色に近づけるのにはどうするか・・・と、いつも優先順位を考えて作業しています。
ピアノのメンテナンスで難しいのは、ただ不具合がなく音が出れば良いというわけにはいかないことです。家電の修理のように、部品を変えて問題なく動けば終わりという世界ではないのです。
これからも調律師としての修行が一生続きますが、だからこそやりがいがある仕事です。
そのピアノが出せる最大限のタッチと音色になるように、引き続き毎日メンテナンスしてまいります!
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