カワイNo.K20修理(60年以上前のレトロピアノまだまだ現役です。)

こんばんは!野川の丘ピアノです。

9月になりましたが、まだ暑い日が続いていますね。これから涼しくなってくると、調律や修理のご依頼も多くなってくると思います。

ご希望のお客さんはスケジュール調整しますので、お早めにご連絡をお願いします🙇

 

さて、先日はまた古き良き時代のアップライトピアノを修理して納品しておりました。

カワイのNo.K20という昭和の時代を駆け抜けてきたレトロピアノです。

長い期間ご自宅に置いてあったピアノで、何十年もブランクがあるものの、今後も趣味で弾けるようにしたいというご希望があり、

修理依頼を頂きました。

今回はなるべくお金は掛けずに弾けるようにしたいということで、ひとまずアクションを工房にお預かりしました。

 

置いてあった環境上、湿気の影響を受けてしまっており内部にカビや汚れが多数付着していたので、分解してできる限りクリーナーで除去していきます。

バックチェック・ブライドルテープ・ハンマーレールなどカビがすごいですが、全部除去していきます。

↓はハンマーを外したところですが、ブライドルテープとチップ(赤い部分)にカビや汚れを多く見られますね。レザーも劣化してボロボロになってしまっているところもあるので、全交換します。

ハンマーレールフェルトも下の写真の通り、少し虫の被害が出てしまっており・・・

 

レールの表面に付いたカビ汚れしみ込んでおり、ここまで酷いとふき取っても残ってしまいます。

 

バックチェックもこの通り・・・

 

ハンマーフェルトは最高音付近にリベット(留め具)がついていない構造ため、3本ほどフェルトの接着が剥がれて下に落ちてしまっていました。こうなるとウッドが直接弦を打つようになってしまい、甲高い音しかでなくなります。

もしくは、フェルトの片側だけ接着が残っている場合、もこもことしたこもった音色しか出ませんので、修理が必要です。

理想はハンマーアッセンブリー交換ですが、高額な修理ですし、交換後はオリジナルの部品でなくなるために音色が大きく変わってしまうので、(※お客さんは今の音がお好き)今回は応急修理をすることになりました。私もできるだけオリジナルの部品は残したいという気持ちです。

剥がれ落ちたフェルトを圧着したあと、また剥がれないように絹糸でぐるぐる巻いていきます。リベットを新たに打ち込む方法もありますが、今回は応急修理ですし、この方法でも音は十分に復活します。

 

ブライドルテープを変えつつ、ハンマーレールフェルトも貼り替えました。

 

ハンマーレールはお客さんからは見えませんが、我々調律師にとっては重要な部品であり綺麗にしたかったので、今回は再塗装をしました。こちらはお見積りに含めなかったので、サービス対応ということになります。

 

バックチェックも汚れを拭き取って綺麗に除菌できました!

 

部品交換後は、全てのパーツを元に戻して取付・調整をするのですが、作業前と比べるとかなり綺麗に仕上がったと思います!

無事に弦も切れることなく調律は完了。弦合わせや整音まで仕上げたところ、やはり大変良い音に復活しました。

とにかく材料が良かった時代のピアノですので、きちんと調整してあげれば必ず良い音色を奏でてくれるのです。

納品時にはお客さんにも大変喜んで頂きました。

今後とも、宜しくお願い致します。

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