ピアノ工房修理(調律ブランク20年以上のヤマハ)

こんばんは!野川の丘ピアノです。

 

20年以上ご実家に置いてあったアップライトピアノをご自宅に運んでお子さんのためにまた使いたいというご依頼を受けまして、

ピアノをお預かりして総メンテナンスをしました。

 

 

音の違いがわかりましたでしょうか?

調律は単に音程を合わせるだけの作業なので、このほかにタッチや音色の調整もしました。

以下に作業した内容をざっと記録しておきます。

 

まずはアクションを解体して消耗部品を交換します。

ヤマハのアップライトピアノ修理では定番となっていますが、フレンジコードという紐が年式によっては100%切れるので、

全て交換が必要です。切れたままでも音は出ますが、タッチが悪くなるだけでなく、スプリング関係の部品の劣化も早めてしまいます。

 

茶色くなってしまっているのがフレンジコードです。8割以上が切れていました。

 

コードの貼り替え後です。新しい白いコードに変わりました。

これで切れたことで使えなくなっていたスプリングの力を使えるようになるので、通常のタッチに戻ります。

フレンジコードのほかに、ブライドルテープという赤と白のテープも交換しました。赤色の部分が劣化してくると雑音を発生するので、この機会に同時に修理が望ましいですね。

 

本体側は埃が溜まっているので、解体して清掃します。

特に鍵盤の下は20年分の埃が溜まっていますので、除去します。

今回はほとんど大丈夫でしたが、フェルト関係が虫食いになってしまうケースもありますので、

清潔にしておく必要があります。

 

鍵盤の下です。やはり清潔にしてから新築などにピアノを運びたいですよね。

 

ブラシと掃除機・ブロアーを使用して徹底的に掃除します。

 

鍵盤のピンはサビたり汚れが付着しているので、研磨してツルツルに磨き上げます。

タッチや音色に関わるので、メンテナンスの基本中の基本です。

 

手前側もあるので、88本×2列分あります。丁寧に磨きます。

色々な電動工具もありますが、細かい作業なので結局は手磨きが一番きれいに光ります。

鍵盤関係も磨きました。一番良く見る場所ですから、綺麗にしておきたいですね。

 

鍵盤をもとに戻して、鍵盤調整という作業を行います。

鍵盤を押したときにスムーズに上下運動ができるようにするための大切な作業です。

 

鍵盤の高さ・深さ・アクションの接点の調整など全て揃えます。

音やタッチもこの作業でかなり決まってきます。

 

ピアノの背面部もなかなか掃除できる場所ではないので、埃が溜まってしまいました。

徹底的にお掃除します。

 

ヤマハの上位グレードモデルであるUXシリーズ。米印のようなX支柱採用で音の伸びが素晴らしいです。

 

最後に外装を磨き上げます。ペダル関係は当然サビているので、見栄えが全然変わります。

どうでしょう?見違えるほどきれいになったと思います。

磨きたてが一番光って見えます。

 

塗装面もかなり曇ってしまっており、小傷が多くありましたので、できる限り研磨しました。

汚れが蓄積すると写真のように白っぽく曇りますが、研磨すれば鏡のように光ります。

 

 

なかなか綺麗に仕上がったと思います。(反射して色々映ってしまいすいません)

工房に引き取らせて頂ければ、このように外装も綺麗にクリーニングできます。

 

以上でメンテナンス完了です。

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