KAISER(カイザー)の修理
こんにちは!野川の丘ピアノです。
先日はカイザーの工房修理とメンテナンスをしました。
KAISER(カイザー)はあまり一般的には知られていないのですが、ヤマハのアクションが入っていますので、メンテナンス自体はやりやすいブランドです。
今回は虫食いの被害が多数出ていたため、主にフェルト・クロス関係の部品交換をしました。
こちら、虫食いでほとんど無くなってしまっているキーブッシングクロスです。
このほか、クッションのバランス・フロントパンチングクロスもほぼ無くなってしまっているので、全て交換となります。調律カードの記録を見ると、どうやら昔にネズミによる被害が出ていたようです…
実は私も以前にネズミによる被害が出たピアノを修理したことはありますが、なかなかの状態で…フェルト関係のパーツはほとんど被害が出てしまいます。(※ピアノの中にお布団を作られてしまいます。)
ハンマーアッセンブリー交換までやりたいところですが、お客さんの予算もあるので、演奏上で問題があるパーツを優先して交換するお見積もりを出しました。
ヤマハの修理で定番のフレンジコード切れもところどころありましたので、すべて交換します。
まずは積もった埃やフェルトのかすを清掃します。
古いフレンジコードをアセトンで剥がして、1本ずつ新品に交換します。
ハンマーフェルトは弦溝や汚れが目立つので、削って綺麗にします。
少し綺麗になりました。これで音色も整います。
ハンマーレールクロスも虫による被害が出て出ておりますので貼り替えます。よく、カシミヤのセーターなどに穴をあけてしまう虫です。良質なフェルト・クロスほど虫害になりやすいですね。。。 美味しいものが狙われます。
貼り替えて綺麗になりました!虫食いもそうですが、そもそも経年劣化もしていたので交換して正解でした。
こちらは鍵盤の奥に見える鍵盤押さえフェルトなので見た目にも関わる部品です。穴だらけになってしまっています。
貼り替えました。見た目もスッキリしました!
ネズミにかじられた跡があったマフラーフェルトも新品になりました。
新しくなるともちろん、弱音にした時の音も良くなります。
外装パーツも一部引き取ってきたので、サービスにて艶出しをしました。塗膜が劣化したり薄くなっている部分もあったので、慎重に研磨します。今回は艶出しが目的でしたので、傷の深追いはしていません。
こちらはお客様のご予算の関係で見積もりに含めませんでしたが、ダンパーフェルトの虫食いが酷いところは交換しました。
数本でしたが、弦に触れる部分に穴があいていました。
ダンパーは音を止める部品なので、フェルトが劣化したり虫食いの被害が出てしまうと、ペダルを離しても止音ができず音が残ってしまうことがありますので、本来であれば全貼り替えが理想的です。
鍵盤のブッシングクロスも貼り替えましたので、これでようやく普通の鍵盤になりました。
あとは納品して取り付け・調整すれば完了となります。
調整というのは、ピアノが普通に問題なく弾けるように鍵盤・アクションの微調整をしていくのですが、その時の季節(温度や湿度)も考慮して1つずつ仕上げていきます。
アクションのネジ締めから鍵盤の高さ・深さ・ハンマーの間隔・ストップ・整音までやりますので、1日掛かりの作業になります。
全ての作業が完了し、音階を試し弾きしてみると本当に驚きました。
響きが良くなったことはもちろんですが、各段に弾き心地も良くなりました。
お客さんにも喜んで頂き、ひと安心です。今後とも宜しくお願い致します!
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