60年前のYAMAHA修理②

こんばんは!野川の丘ピアノです。

先日書いたヤマハNo.U2修理の続きです。

アップライトのアクション部品の中で最も重要な役割をしているジャックのスプリング交換です。

 

 

古いスプリングを外して、残っている接着剤をできるだけ取り除きます。

綺麗に接着を取るのは結構難しいです。

ウィッペンを外しているので、ジャックとウィッペンフレンジのセンターピンを交換しながら、新しいスプリングを入れていきます。このスプリング交換は年数が経過しているピアノに対して、絶大な効果があります。

ジャックは鍵盤の連打に一番影響のある部品ですので、このジャックスプリングが弱っているとトリルや同じ音の連打がしづらくなります。そのため、弱っているスプリングを交換すると劇的にタッチが良くなります。

新しいスプリングを入れると見た目もピカッと光って綺麗になってこれで安心です!

 

ハンマーフェルトは弦溝がついていたり、フェルト自体が汚れていると音が悪くなるので、ヤスリで削り落として形を整えます。見た目も白く気持ちよくなり、音色が豊かになります。

 

ダンパースプーン・ダンパーロッドなど、アクション部品の接点はスムーズに動くように研磨・潤滑しておきます。タッチやペダリングがとても良くなります。

 

鍵盤関係は筬(おさ)ごと引き取ってきたので、工房で錆落とし・鍵盤調整まで作業できます。

出先でもできますが、納品の際には整調など他の作業に集中したいため、予め終わらせておきます。

鍵盤のピン(キーピン)を研磨してベンジンで汚れを落とすことで真鍮はツルツルに復活します。筬に鍵盤を戻して鍵盤調整をすることで鍵盤がスムーズに動くようになります。明らかにタッチや音色が変わるので、ピアノにとってはとても重要な作業です。

↑ はサビている真鍮のキーピンです。赤いパンチングクロスを外して根元まで研磨していきます。

丁寧に磨けば、このように新品のような輝きを取り戻します。

フロント側も同じようにクッションとなっているクロスを外して研磨します。

こちらは撮影の角度が悪く、少しわかりづらいかもしれませんが… ビフォーアフターです。

 

パンチングクロスを元の位置に戻して、研磨完了です!

かなり綺麗になったと思います。

研磨後は鍵盤を元に戻していきますが、鍵盤側の汚れも落とさなければせっかく綺麗になったピンに汚れがついてしまうので、鍵盤のホールもベンジンで綺麗にします。

その後、鍵盤を入れながら左右のがたつきを押さえるブッシングクロスのきつさをチェックし、必要があればホールの大きさも調整します。とても繊細な作業となります。

 

工房でできる作業が全て終われば、あとは納品・取付調整となります。

現地での整調ももちろん重要です。部品交換をしたあとは必ず整調一式が必要です。

まもなく納品となりますが、修理後の音が楽しみです。お客さんも楽しみにお待ち頂いているので、ご期待に応えられるよう仕上げていきます!

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