HORUGEL(ホルーゲル)の修理(続き)
こんばんは!野川の丘ピアノです。
あっという間に12月となり、年末で道路も混んきましたね。
実はなかなか作業ブログを書く時間が取れずにおります… というのもご依頼頂いている調律や修理がキャパを超えており、慌ただしい毎日となっています。開業した年にも関わらず、これだけ多くのご依頼を頂いていることは大変ありがたいことです。
さて、ブログを書くのを遅れてしまっている小野ピアノさん製造のホルーゲルの修理続きです。
前回のブログではアクションの解体を始めたことを書きましたが、少しずつ部品を交換していますので、ちょっとご紹介させて頂きます。
とにかくほとんどの部品が虫食い・消耗しており、交換が必要な状態でした。
私の好きなピアノメーカーのイースタインもそうなのですが、ブライドルテープというハンマーの戻りに大きく関わる部品が、経年劣化によりちょっと引っ張るだけでちぎれてしまうので必ず交換が必要です。
古いブライドルテープを剥がして、元のテープと同じ長さになるように貼ります。ヤマハのピアノではちぎれることはあまりないのですが、ブライドルチップ(赤い部分)の穴が広がってチリチリとした不快な雑音が発生し、いずれにしても交換をしなければならない部品です。
これで当分の間は大丈夫でしょう。
ハンマーを外したら、このタイミングでフェルトの形を整えます。(ハンマーファイリングといいます)
作業前のフェルトは写真の通り、先端がつぶれてしまって平らになっているのがわかるかと思います。
また、弦の跡がくっきりとついてしまっているので、ヤスリで削り落として形を整えます。音色に関わる作業のため、慎重に作業します。
こちらファイリング後。先端の形が変わったのがわかりますでしょうか。
このように本来のハンマーの形に戻してあげることで、良い音が出せるようになります。但し、削るといっても限界があるので、ファイリングができない場合はハンマー交換が必要です。
このホルーゲルも長く弾くのであればハンマー交換が必要ですので、いずれはヘッドだけ交換する予定です。
これだけ削れてしまいました。羊さんからたくさんのフェルトを頂いているんです。
ポキポキ折れていたバットスプリングも交換して新品ほやほやに。こちらタッチにめちゃめちゃ影響しますので、明らかに良くなっています。
バットフェルトも虫食いがひどかったので、ほとんど交換済みです。
そして古いセンターピンは88本×4列分交換しています。
上のセンターピンが新品、下が古い方です。見た目でわかるくらいサビてますね。。日本の古いピアノのほとんどが湿気の影響でフレンジが硬くなってしまい、センターピン交換が必要になります。
そして、ジャックスプリングがほとんど機能していなかったので全交換しました。この部品が機能しないと全く音が出なくなります。大変重要な部品です。
ところでウィッペンフレンジのところにサインがありますね。海外の技術者も鍵盤などに自分のサインを書いたりするようです。
まだダンパー関係の修理は終わっていませんが、イースタインの修理依頼が入っていますので、一旦ホルーゲルは中断して、イースタインの修理を進めるところです。こちらについてもまたブログで書くつもりですので、よろしければご覧くださいね。
明日も工房修理予定です!
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