お預かりしたドイツ製ピアノアクション(修理内容)

2024年2月4日

こんばんは!野川の丘ピアノです。

なんだか急に涼しくなって、あっという間に夏が終わってしまったような雰囲気ですね・・・。

お客さん宅に着ていくワイシャツも半袖から長袖にしました。

そろそろジャケットの出番ですかね。

 

さて、今日は先日まで修理していたドイツ製ピアノの修理について、何をしたのかをまとめてみますね!

先日のブログでも少し書いたのですが、ハンマーセンターピンという部品の交換がメインでした。

関節の役割をしているので、ここが動かなくなると音やタッチに大きく影響が出てしまいます。

調律師が最初に覚える部品交換はこれかもしれません。

湿気によってクロスや木部が膨張すると固くなって動きが悪くなります。

新しいセンターピンに交換をすることで元通りになるのですが、88鍵分全交換をすると色々と調整が必要になるので、ただ交換すれば良いというものではありません。

 

交換自体はすぐに終わるのですが、その後ハンマーの間隔、走り、傾きを修正する必要があります。

ハンマーは弦を叩く部品ですが、真っ直ぐ弦の真ん中に当たるのが理想です。

ほとんどのピアノは1年の間にネジが緩んだりして間隔がずれていきますし、部品交換すると色々と状態も変わりますので、このタイミングで修正します。

 

他にもハンマーシャンクローラーに潤滑の粉末パウダーを塗ったりしますが、私としてはかなり重要な作業でして・・・

部品の接点はスムーズに動かなければならないのですが、消耗してくると音やタッチが悪くなります。

そのために潤滑してあげるだけでかなり音色やタッチが改善されます。

ちょっとした作業でピアノは応えてくれますが、何もやらなければ全然よくなりません。

繊細なんですよねー。

 

また、センターピンを交換したあとに必ずセットで行いたい作業があります。

ハンマーのファイリング(整音)です。

長く使用してきたピアノはハンマーフェルトに弦溝がつき、消耗していきます。

フェルトの先端が潰れてくると音の伸びがなくなるだけでなく、雑音が発生して不快な音となってしまいますので、ヤスリで一回りフェルトを削ってあげることが理想です。

このとき、弦に当たるように真っ直ぐ削らなければならないので、慎重に。。

削ったあとはフェルトのカスが出ますので、エアーで埃も一緒に吹き飛ばしてキレイにします。

だいたいここまでが工房でやる修理です。

このあとはアクションをお客さんのところへお届けして、取付調整を行います。

アクションと鍵盤が接触する部品は滑りをよくするために、取り付け前に磨いておきます。

アクションと鍵盤をネジ止めしたら、ハンマーを弦に合わせる作業を行います。

三本の弦が同時にハンマーが当たるように調整することで音の粒が揃います。

 

その後さらにアクションの調整をメインに行い、弾きづらかったタッチをできる限り揃えて、

今回のお見積もりの中でできる限りのことはさせて頂きました。

 

そして最後はお客さんにも弾いてもらい、無事喜んで頂きました😀

特に修理前は中音~高音が鳴らない(響かない)状態でしたので、明らかに変わって良くなったことを実感されていました!

これからピアノの先生としてレッスンされるそうですので、本当に無事終わって一安心~~

 

ドイツ製のピアノとしてはあまり知られていないブランドなのですが、やはりこだわって作られたピアノで素晴らしい音になりました!

これから弾いていくことでさらによくなっていくと思いますので、楽しみですね~。

 

今後ともよろしくお願いします!

 

———————————————————————————

ピアノのことで何かあればこちらまで!

———————————————————————————-