チューニングハンマー(調律工具)修理

2024年2月4日

こんばんは!野川の丘ピアノです。

調律師にとって右腕である、チューニングハンマーが壊れました。。と以前ブログでも書きましたが、

とりあえず応急修理できないか考えていました。

 

その方法とは・・・

①接着修理

 

今回壊れてしまったのは、使用しているチューニングハンマーの一部のカーボンが割れてしまったのです。。

そこで、カーボンも接着できるという接着剤を入手して接着修理してみました。

口コミでは溶接と同じぐらいの強度が出る!と書かれていたので期待していました。

問題は割れた部分が丸いため、圧着が難しいということ・・・

このように接着後は挟んで圧着したいのですが、万力を使ったり、クランプを使ったりしたが思うように締まらないのが難点。

ただ、接着剤はしっかり割れ目のところに流し込めたので、溶接並みの強度であればいけるのでは?と期待しました。

結果は、ダメ。。

やっぱり割れたところは調律時に一番力が加わるところなので、ググッと回していくと「バキッ」と接着剤が割れる音が聞こえた苦笑

期待していただけに残念だ。。

 

ということで次の手段に移りました。

 

②カーボンごと交換

ここまでやる調律師は果たしているのか?というところですが、、

でも結構気に入っていた工具だったので、どうにか直したいと思いカーボンパイプを注文!

新品のチューニングハンマーを買うと60,000円くらいは掛かるところ、カーボン交換なら2,500円で済むのです。

しかし海外から取り寄せるので、かなり時間が掛かるようだ。(←今ここ)

かなり慎重に作業しないとまたカーボンを割りかねないので注意して修理しますー。

 

ところで先日伺ったお客さんのピアノですが、整調の状態がほぼ完璧でスムーズに作業が終わりました。

といっても毎年メンテナンスしているので当然ですが。

こちらハンマーストップという整調作業です。

弦を打ったあとハンマーが止まる位置を揃えます。大体弦から15mmの位置で止まるようにします。

これが揃っているとタッチがめちゃくちゃ良いです。

これが普通の状態なのですが、始めて担当するピアノなんかは大体大幅にずれてしまっています。

ストップ位置がずれると音色がバラつくだけでなく、タッチもバラついてしまいますので整調は本当に大事です。

 

調律だけ合わせて終わりというわけにはいかないので、調律師は調律が終わったあとには絶対に整調を見直すべきだと思います。

1年経てば部品が消耗したり、木材が収縮したりすることで状態が変わるためです。

このあたりはきちんとお客さんにピアノの状態や作業した内容を説明してあげないといけません。

 

逆にお客さんから調律師へもどんどん質問してくれたら嬉しいです。

中にはピアノは子供が使うから音が出ればいいですという人もいれば、色々と疑問点を質問してくれたり、こちらの話を真剣に聞いてくれるお客さんもいますので、たまに音楽の話題で盛り上がるとこちらも嬉しいものですよ。

 

明日もどんなピアノが待っているか楽しみです!